旧車好きに話題とされている「ZDDP」(ZnDTPともいう)という添加剤があります。これはオイルの成分表のzincというものになります。

 

この「ZDDP」の添加量が多い、少ないでそのオイルの善し悪しを決めようとするユーザーがいますが、この「ZDDP」は各メーカーの技術者が化学合成して独自開発をしています


なので、一口に「ZDDP」といっても種類が違うってことです。種類が違えば、性能も違う。他メーカーの「ZDDP」の含有量が多い少ないで判断は出来ないってことです。

 

「ZDDP」の役目は、金属表面に被膜をつくり、直接金属同士がぶつからない為の「バリヤー」を作ることです。

 

右はそのイメージ図。母材(金属)の表面には酸化して変化した金属表面。その上にガラス反応膜ができ、ZDDP(ZnDTP)の膜が出来るようになっています。

 

各メーカー技術が違えば、添加量も変わってきます。判断するならば、同じメーカーのもので、添加量の多い少ないを見た方がいいでしょう。しかも多ければ多いほど良いというのではありません。

 

そして、ZDDP(ZnDTP)は摩擦を減らす効果は持ちません。

何事も適量が肝心ですね。


ZDDP単体では、摩擦を減らす効果が無いために、MoDTCという添加剤を同時に配合するのが一般的です。

 

その理由は、エンジンオイルの働きの一つである、潤滑性を高める為です。

 

このMoDTCを配合することで、摩擦が大きく減ることになり潤滑性が高まるのです。この配合される「ZDDP」「MoDTC」は各メーカーの化学合成した物質なので、同じ物ではありません。

特殊合金皮膜をつくりその上で摩擦抵抗を減らしています。

ZDDPとMoDTCの同時添加の動画です。実験では700kgの圧力をかけていますが、実際は1000kg以上の圧力がかかります。

 

実験では油温は室温程度ですが、実際は油温も120℃を越えることもあります。加熱された金属は膨張しクリアランスが無くなってしまい焼き付くこともあります。

 

添加剤の質や添加量によって摩耗が生じたり、焼き付きが起きることもあります。