パラフィンって何?

parafin

パラフィン系ベースオイルについて

1880年代に自動車が発明されてから120年以上が経ちます。当時の潤滑油の技術はとても低く、良質なエンジンオイルを作るのはとても困難だったことでしょう。

良質な潤滑油を作るために潤滑油メーカーは探し回り、行きついた場所がアメリカ ペンシルベニア州 ブラッドフォード油田。

この地から採取される原油がとても高品質であったために、有名なオイルメーカーが次々と誕生してきました。

鉱物オイルといとくちに言っても、数百種類のベースオイルが存在します。その基本となるものが”ベースオイル0(ゼロ)”と言われ、オイルを作る上での基準となっています。

右の画像は弊社提携先企業が1960年代ペンシルベニア ブラッドフォードにて実際に行って撮影したものです。

ここの油井は小さい物ですが、小さい物から大きなものまで無数の油井が存在します。

ブラッドフォードの原油を使用したものはグリーン(緑色)としてシンボルマークになっています。汲み上げたばかりの原油は泥と一緒に上がってくるためグリーンがかった土色です。

※この油井は小さな油井です。この小さな油井だけではなく、大きな油井や様々な大きさの油井が存在し、無数の群れをなして原油を汲み上げています。この小さな油井だけと勘違いなさらないようにお願いいたします。

ブラッドフォードには有名オイルメーカーが集中していた。

パラフィン系ベースオイルを使用するメーカーは沢山あります。スノコ、ペンズ、シェブロン、カストロール、シェル、等々有名オイルメーカーが乱立しています。


その理由は豊富な資源と良質のパラフィン系原油が採れるためです。

年々採取される原油は減少し現在は少量の原油が採取されるのみとなっていますが精製技術の向上により、現在ではパラフィン系ベースオイルは品質が安定供給されています。

パラフィンとは総称

パラフィン系というのは総称

ビタミンと言ってもビタミンにはA・B・B1・B2・B12・C・K・Dなど数多くあります。

その総称としてパラフィン(系)と呼ばれています。パラフィン系なので、各オイルメーカーはどのパラフィンを使っているのかは企業秘密で公開されていません。

エンジンオイル屋では名古屋工業大学 カエラ研究所において調べた結果主成分「ドデカン」副主成分「キシレン」と判明いたしました。

同じパラフィン系であっても同じ性能にはならない

同じパラフィン(系)であれど、同じ性能を発揮するものではありません。


その理由は
1:どのベースオイルを使っているのかが不明。
2:配合される「添加剤技術」の違い。

まったく同じベースオイルを使ったとしても、配合される「添加剤技術」が違えばまったく別物のエンジンオイルになってしまうと言うことです。

パラフィン系ベースオイルとは鉱物オイルのこと

パラフィン系ベースオイルには大きくわけて3つに分類されます これがグループ1・グループ2・グループ3です

グループ3は別名VHVIと呼ばれ化学合成オイルとして表記されることが許されています

なぜグループ3(VHVI)は化学合成なのか解説

グループ3(VHVI)の製造過程を知ると グループ3(VHVI)の潤滑性の違いが理解できます

グループ1をつくる

原油を精製するとグループ1を作る原料が取れます この原料を水素を使い精製すると グループ1が出来ます

この製法はガソリンエンジンが誕生してすぐに出来た製法のため 採取される油田の品質に大きく左右されていました だからアメリカのブラッドフォード油田にオイルメーカーが集中してできています

当時の製法は単純だったということです

  • 分子の大きさがバラバラで大きすぎる分子 小さすぎる分子が混在
  • 小さすぎる分子オイルが減るという現象が起きる
  • 分子が大きすぎると 製品の性能を保てない(せん断に弱い) 
  • 不純物が多い

このことが鉱物オイルは品質が悪いと言われる原因です

製造が簡単で製造コストもかかりません

120年前はこれしか無かったのですからいかたないですよね

グループ1を元にグループ2をつくる

完成したグループ1を再度精製します   この時グループ1で問題を解決したのがグループ2 分子を均一化します

この均一化がちょうどよい大きさの分子になっています

手間が増えた分製造コストがかかってきます 需要が少ない為に製造コストは高くなっています

メリット

  • 分子の均一化で製品の性能が安定
  • 冷却性能も高い

グループ2を元にグループ3をつくる

完成したグループ2を一度分子をバラバラに分化し 再結合させたもの

分子を分解する手順を踏んでいるので化学合成オイルの表記が認められていますが

始まりは鉱物オイルなので オイルメーカーによっては VHVIも鉱物オイルと位置づけられています

分子は小さくなってサラサラなオイルが完成します 

このサラサラが現代のエコカーに使われる0Wや5Wが作れるようになっています

メリット

  • サラサラオイルが作れる
  • 分子が小さくなるので耐久性も高くなる

デメリット

旧車・過走行車などはサラサラオイルを使うと白煙・オイル消費・オイル漏れになりやすい

手間がかかり製造コストがかかっていますが 需要と供給の関係で需要が多くなると製造コストが非常に安くなっています

グループ3(VHVI)は化学合成だから潤滑性が高いと思っていませんか?

結論は同じ原油から精製されている事から潤滑性は変わらないこと 不純物と分子の大きさが違うだけ

だから部分合成ではグループ3(VHVI)とグループ1を混ぜて部分合成として販売されている

大事なのは製造にいたる過程

エンジンオイルの作り方を知るひとは少ないです この作り方には2つの方法があります それが通常の製法とノンポリマー製法

皆さんがよく使われている製法が通常の製法です

同じベースオイルを使っていても性能は大きく変わることになります
その製法は2つ

通常の製法ノンポリマー製法

通常製法

通常1種類のベースオイルに様々な添加剤を配合して作ります

料理に例えます

長期間保存するための保存料・色味を良くして美味しく見せかけるための発色剤や着色料・人口甘味料など添加物をいれた料理が通常の製法

大量生産向きです

メリット

  • 安価に製造できる
  • 低粘度の製造が可能となるので現代のエコカー向き

デメリット

  • オイルが黒くなりやすい(交換サイクルが短くなる)
  • 製品の性能が落ちやすい
  • 熱ダレを起こしやすい

ノンポリマー製法

ノンポリマー製法とは2種類のベースオイルをつかった製法

食材本来の味や食感を引き出した高級料理

2種類のベースオイルを贅沢に使っているために生産コストは高くなります

この製法には通常の製法にないメリットが沢山生まれます

メリット

  • オイルが黒くなりにくい(交換サイクルが長くなる)
  • 製品の性能を保ちやすい
  • 熱ダレを起こしにくい

デメリット

  • 黒くなりにくいので交換サイクルがわかりにくい
  • 気温が低くなるとオイルが暖まりにくい

通常製法とノンポリマー製法の違い

ノンポリマー鉱物オイルは劣化に強い

化学合成オイルを超える性能を持つ鉱物オイル

化学合成(VHVI)オイルとノンポリマー鉱物オイルの性能比較で証明

ISOTテストとは165.5℃の高温で24時間加熱したあとの状態を比較したもの

ライズオイル(ノンポリマー鉱物オイル)20W-50

粘度の変化量
試験前16.84 
試験後16.43
0.41ダウン
(ダウン量が少ない程耐久性が高いことを証明)
酸値
試験前1.82
試験後1.77
0.05ダウン

A社通常製法15W-50

粘度の変化量
試験前19.34 
試験後15.47
3.87ダウン
(ダウン量が少ない程耐久性が高いことを証明)
酸値
試験前2.56
試験後2.17
0.39ダウン

圧倒的にノンポリマーが耐久性に優れることを証明

ノンポリマー鉱物オイルは世界ラリーで性能を証明

APRC2アジアパシフィックラリー選手権2018年 クラス優勝

どのオイル(粘度)を使ったらいいのか気になったら

元エンジンチューナーでエンジンオイルのプロがお客様お一人お一人の愛車に最適な粘度の選定をサポートさせていただいております

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