化学合成油のデメリットを理解しよう
化学合成油は多くの利点がありますが、全てのエンジンに最適というわけではありません。このページでは、化学合成油の潜在的なデメリットについて詳しく解説します。適切な選択をするために、知っておくべきポイントを見ていきましょう。
化学合成油の主要なデメリット
コストが高い
化学合成油(PAO・エステル)は製造コストが高く、鉱物油と比べて価格が高くなることが多いです。
- コストについて: 化学合成油は高度な製造プロセスを経ており、そのために価格が高くなります。特に頻繁にオイル交換が必要なエンジンでは、維持コストが増加する可能性があります。
シールやガスケットへの影響
古いエンジンでは、化学合成油がシールやガスケットに悪影響を与えることがあり、オイル漏れの原因になる可能性があります。
- シールやガスケットへの影響: 特に古いエンジンでは、化学合成油がシールやガスケットを侵すことがあり、これが原因でオイル漏れが発生するリスクがあります。これにより、メンテナンスコストが増加する可能性があります。
劣化の速度
高温条件下での劣化が早い場合があり、特定の使用環境では頻繁なオイル交換が必要になることがあります。
- 劣化の速度: 化学合成油は通常、高温に強いとされていますが、実際には極限の高温環境下で劣化が早まることがあります。これにより、オイル交換の頻度が増える可能性があり、コストと手間がかかることがあります。その理由のひとつが、配合されている添加剤にあります。化学合成ベースオイルがどんなに熱などに強くても、配合する添加剤が先に分解されてしまうケースがほとんど。
エンジンタイプとの相性
一部の旧車や特定のエンジンタイプでは、化学合成油が推奨されない場合があります。エンジンに合ったオイル選びが重要です。
- エンジンタイプとの相性: 特に旧車や空冷エンジン、特定のロータリーエンジンでは、化学合成油が推奨されない場合があります。エンジンの特性に合ったオイルを選ばないと、性能低下や故障のリスクが高まります。
化学合成オイルの特性とその課題
化学合成オイルは、人工的に合成された分子構造を持ち、均一性が高いため、熱に対する安定性が良いとされています。しかし、この「高温安定性」という特性は、ほとんどの場合、「ポリマー(粘度向上剤)」によってつくられ、必ずしも全てのエンジンにとって最適ではありません。特に、旧車や高走行距離車、特定のエンジン構造においては、この特性が逆にデメリットとなる場合があります。
潤滑性とは何か?
潤滑性の定義:
- 潤滑性は、エンジン内部の金属部品同士の摩擦を減らし、摩耗を防ぐ能力のことを指します。これによってエンジンの寿命が延び、パフォーマンスが維持されます。
摩擦を減らし、摩耗を防ぐ極圧剤の役割:
- 重要なのは、潤滑性はベースオイルの種類(化学合成か鉱物油か)ではなく、オイルに含まれる「極圧剤」によって決定されるということです。極圧剤がエンジン内部で金属表面に保護層を形成し、摩耗を防ぎます。このため、「極圧剤の質が問題」です。
- どんなに優れた化学合成油であっても、質の悪い極圧剤を使っていると、摩耗し、摩擦も大きくなります。鉱物油であっても化学合成油を超える性能を持つことは可能であり、優れた潤滑性を発揮します。
化学合成油と鉱物油、どちらが高温安定性が高い?
分子構造の違い
- 化学合成オイル: 化学合成オイルは、熱くなりにくく冷めにくい性質があります。これにより、エンジンが熱くなっても、オイルが劣化しにくく、エンジンを守る力が続きやすいです。ただし、オイルに含まれる添加剤は、高温で先に劣化しやすく、エンジンの保護が弱くなることがあります。
- 鉱物油: 自然由来の複雑な分子構造を持つため、極圧負荷や高温時の過酷な条件下でもある程度の柔軟性を保ち、エンジン内部の保護性能を維持しやすいです。熱しやすく冷めやすい性質があります。
高耐久のはずの化学合成は、なぜ5,000㎞や10,000㎞で交換する?
高耐久の化学合成オイルは高耐久のはず なぜ5,000㎞や10,000㎞でオイル交換しなければならないのはなぜでしょうか?
その理由は配合される「添加剤」が先に悪くなるのが原因です
オイルの耐久性と添加剤の劣化
化学合成オイルは約60,000㎞、鉱物油でも約30,000㎞の耐久性があると言われています。しかし、どちらのオイルでも、実際に長く使えるかどうかは「添加剤」が重要です。添加剤が先に劣化すると、ベースオイル自体の耐久性に関係なく、エンジンを守る力が弱くなります。つまり、添加剤が劣化すれば、化学合成オイルも鉱物油も、実際の耐久性は同じようになってしまうのです。
オイルに「耐熱性」が必要と思っていませんか?
「冷却性」と「耐熱性」の違い
化学合成オイルと鉱物オイルにはそれぞれ異なる特性がありますが、耐熱性自体に大きな差はありません。耐熱性とは、オイルがどの温度で燃え始めるかを示す「フラッシュポイント(引火点)」で測定されます。例えば、どの粘度のオイルを選んでも、フラッシュポイントに大きな差はありません。これは、オイルが高温環境でどれだけの熱に耐えられるかを示しているに過ぎません。
本当に重要なのは耐熱ではなく「熱安定性」と「添加剤」
オイルの真の性能を測る上で重要なのは「耐熱性」ではなく、「熱に対する安定性」です。この安定性においては、化学合成オイルが優れていることが一般的に知られています。化学合成オイルは、分子構造が均一であり、熱による分解が起こりにくいため、高温環境下でも安定した性能を維持します。
しかし、ここで見落とされがちなのが「添加剤」の役割です。どれだけベースオイルが安定していても、オイルに配合される添加剤が高温によって先に分解してしまうと、オイル全体の性能が低下してしまいます。そのため、オイルの性能を最大化するには、ベースオイルと添加剤のバランスが非常に重要になります。これらのバランスの良い製品が水平対向(ボクサー)エンジン専用となる指標となります。
化学合成油の冷却性は鉱物油にかなわない
鉱物油の分子構造上、分子が大きいほどエンジンの冷却性は高くなり、小さいほど低くなります。
化学合成油 vs 鉱物油: どちらが良いのか?
- 化学合成油と鉱物油の長所と短所を比較し、どのような状況でどちらのオイルが最適かを説明します。これにより、ユーザーが自分のエンジンに最も適したオイルを選択できるようになります。
大事なオイル選び
オイル選びでは、性能をしっかり見極めることが重要です。合成油にはVHVI、PAO、エステルなどの種類がありますが、ベースオイルだけで判断するのは不十分です。製品は添加剤を加えて完成するため、全体の性能を見て選ぶことが大切です。
安価な合成油の多くはVHVIベースオイルが使われており、コストを抑えるために性能が低い添加剤が使われているかもしれません。「その価格で本当に大丈夫?」と考え、愛車を守るために信頼できる製品を選びましょう。
愛車に合ったオイルを選ぶことが、エンジンを守る鍵です!
車のオイルを選ぶとき、一番大切なのは愛車との相性です。ただ「化学合成油だから良い」と選ぶのではなく、車の使い方や走る環境、そしてエンジンの状態をしっかり考えて選ぶことが大事です。
例えば、旧車に低粘度の化学合成油を使うと、長年走り続けてきたエンジンが摩耗しているため、オイル漏れや白煙、さらにはオイルの消費が増えてしまうことがあります。これは、エンジンに適したオイルを選んでいないから起こる問題です。
だからこそ、オイル選びには目的が必要です。エンジンの摩耗を抑えたいのか?燃費を向上させたいのか?それともエンジンの寿命を延ばしたいのか?その答えを明確にして、愛車にベストなオイルを選ぶことが、エンジンを長持ちさせる秘訣です。
ノンポリマー鉱物油の特徴
ポリマー不使用でクリーンなエンジン
- 通常のエンジンオイルには、粘度を安定させるためにポリマーが含まれています。しかし、このポリマーが高温で分解すると、エンジン内部にカーボンデポジット(炭素の堆積物)を引き起こし、エンジンを汚してしまいます。ノンポリマー鉱物油は、ポリマーを使用していないため、カーボンデポジットの発生リスクが低く、エンジンをクリーンに保つことができます。
鉱物油の分子構造と高温安定性
- 鉱物油は、自然由来の原油から作られたもので、分子が大きく、複雑です。このため、特に旧車や高走行距離車では、エンジン内部の隙間を埋め、圧縮を回復させる効果があります。また、化学合成オイルに比べて熱しやすく冷めやすい特性を持つため、エンジン温度の変化に柔軟に対応します。
旧車や高走行距離車に最適な理由
- 旧車や高走行距離の車では、エンジンが摩耗して隙間が大きくなりがちです。ノンポリマー鉱物油はその隙間を効果的に埋め、エンジンのパフォーマンスを維持するのに役立ちます。さらに、ポリマー不使用なので、燃焼時にカーボンが溜まりにくく、エンジンの寿命を延ばすことができます。
ノンポリマー鉱物油と化学合成オイルの違い
添加剤の役割と熱に対する誤解
- 化学合成オイルのベースオイルは、分子が小さいため高温に強く、せん断にも耐性があります。しかし、添加剤は熱やせん断に弱く、高温下では先に劣化してしまいます。いくら高性能なベースオイルを使用しても、添加剤が壊れることで性能が落ちることが多いです。このため、「化学合成オイルは高温に強い」という考えだけでは不十分です。
ポリマーの役割とデメリット
- 化学合成オイルの多くは、粘度を調整するために「ポリマー」を使用しています。このポリマーは、熱に弱く、劣化するとオイルが黒くなり、性能が落ちます。ポリマーの劣化が、オイルの品質低下の原因となるため、化学合成オイルのデメリットとして認識すべきポイントです。
エステルは加水分解する
参照元:ジュンツウネット21 潤滑油業界団体向け情報サイト
エステル系のオイルは、長期間の使用や高湿度環境で加水分解を起こしやすく、潤滑性が失われることがあります。これにより、エンジン内部に水分が入り込むと、エステルは化学的に分解しやすくなり、長期使用には不向きな場合があります。
マフラーやエンジンの中には蒸気が入り込んでいますから エンジン内部やマフラー内部に結露ができて水がオイルに入り込みます この時にエステルは加水分解しやすいことになり 長期間の使用には耐えないことがよくわかります
実は化学合成オイルの潤滑性が高いという資料はない
SAEやAPI、ACEAなどの資料は、異なる条件や基準でテストされていることが多いため、それらの結果をもとに「どちらが優れているか」を直接比較するのは難しいです。
各オイルの特性を比較する際には、同じ条件下でのテスト結果を参照することが理想的ですが、そういったデータが揃っていない場合、あくまで各オイルの特性を理解し、その情報をもとに適切な選択を行うことが重要です。メーカーや研究機関の資料は、個別の特性を理解するための参考資料とし、実際の選択にはユーザーの使用環境や目的に合ったオイルを選ぶことが求められます。
ノンポリマー鉱物油は化学合成油を超える性能を持つ
ノンポリマー鉱物オイルは劣化に強い。化学合成オイルを超える性能を持つ鉱物オイル
第三者機関にてその性能を証明
ISOTテストとは165.5℃の高温で24時間加熱したあとの品質を比較したもの
ライズオイル(ノンポリマー鉱物オイル)20W-50
粘度の変化量
試験前16.84
試験後16.43
0.41ダウン
(ダウン量が少ない程耐久性が高いことを証明)
酸値
試験前1.82
試験後1.77
0.05ダウン
A社通常製法15W-50
粘度の変化量
試験前19.34
試験後15.47
3.87ダウン
(ダウン量が少ない程耐久性が高いことを証明)
酸値
試験前2.56
試験後2.17
0.39ダウン
圧倒的にノンポリマーが耐久性に優れることを証明
実走行に当てはめると
エンジンに求められるのは「耐熱性」が必要と思っていませんか?
「冷却性」と「耐熱性」の違い
化学合成オイルと鉱物オイルにはそれぞれ異なる特性がありますが、耐熱性自体に大きな差はありません。耐熱性とは、オイルがどの温度で燃え始めるかを示す「フラッシュポイント(引火点)」で測定されます。例えば、どの粘度のオイルを選んでも、フラッシュポイントに大きな差はありません。これは、オイルが高温環境でどれだけの熱に耐えられるかを示しているに過ぎません。
本当に重要なのは耐熱ではなく「熱安定性」と「添加剤」
オイルの真の性能を測る上で重要なのは「耐熱性」ではなく、「熱に対する安定性」です。この安定性においては、化学合成オイルが優れていることが一般的に知られています。化学合成オイルは、分子構造が均一であり、熱による分解が起こりにくいため、高温環境下でも安定した性能を維持します。
しかし、ここで見落とされがちなのが「添加剤」の役割です。どれだけベースオイルが安定していても、オイルに配合される添加剤が高温によって先に分解してしまうと、オイル全体の性能が低下してしまいます。そのため、オイルの性能を最大化するには、ベースオイルと添加剤のバランスが非常に重要になります。これらのバランスの良い製品が水平対向(ボクサー)エンジン専用となる指標となります。
旧車・過走行車エンジンにおすすめなのはノンポリマー鉱物油
ライズオイルは、元エンジンチューナーが経験を元に開発した「こだわりのエンジンオイル」です。このバランスを最大限に追求した製品である「ノンポリマー鉱物油」を提供しています。
このオイルは、化学合成オイルに匹敵する「熱安定性」を持ちながらも「添加剤」の効果を最大限に引き出すことができるように設計されています。これにより、高温環境でも安定した保護性能を発揮し、エンジンの寿命を延ばすことが可能です。
ノンポリマー鉱物油は世界ラリーで性能を証明
APRC2アジアパシフィックラリー選手権2018年 クラス優勝
ノンポリマー鉱物オイルは合成油を超える性能を持つ、鉱物油
ノンポリマー鉱物オイル推奨
- ライズオイル このオイルは、水平対向(ボクサー)エンジンエンジンに特に適しており、高温時でもしっかりとした潤滑性を保つことができます。さらに、ZDDPであるメタルシールドが多く含まれており、エンジンの摩耗を防ぐ効果が高いです。旧車や高回転での使用が多いエンジンに最適です。
- ライズオイル GT-RS 20W-50: こちらは、特に過酷な使用条件でエンジンを保護するために設計されています。高温時の安定性が高く、長距離走行やスポーツ走行を行う水平対向(ボクサー)エンジン専用といっても過言ではありません。また、エンジン内部のクリーンな状態を維持するための洗浄剤も配合されています。
日常使用
GT-RS10W-30:
通勤や日常的な運転では、ノンターボではライズオイル 10W-30がおすすめです。寒冷地でも十分に機能し、エンジンをしっかり保護します。
街乗りからモータースポーツ
GT-RS10W-40:
ターボ車、サーキットや峠での走行には、ライズオイル GT-RS 10W-40が最適です。高温下でもオイルの粘度を保持し、エンジンのダメージを最小限に抑えます。
旧車・過走行車エンジンを持つユーザー
「空冷水平対向エンジン」を持つフォルクスワーゲン及びポルシェなどにも有効
GT-RS20W-50:
特に古いエンジンを搭載した車には、より高粘度のオイルが必要です。ライズオイル 20W-50は、オイル漏れを抑制し、エンジン内部の摩耗を抑えます。
ノンポリマー鉱物オイルとは2種類のベースオイルを贅沢に使用したエンジンオイルです。鉱物オイルなのになぜこんなに高価なのかを思うかもしれませんが、その価値は価格以上のものがあります。
化学合成を使うとゴムシールを傷めるといいますが 現代の技術で中和剤が開発されているため、傷めることは無いと言えます。ただし、サラサラな粘りの無い化学合成はあらゆる隙間から染み出てきやすいために オイル漏れや気密性が落ちた旧車や過走行車はパワーダウンやオイル消費・白煙の原因になりやすいので注意する必要がありますので 旧車・過走行車専用につくられたエンジンオイルを使用しましょう
オイルの性能を維持する力が強いことを証明。