愛車に最適なエンジンオイル、正しい粘度を選べていますか?
・オイルを交換したてのエンジンは、静かで加速性もよいのに、2,000キロも走ると燃費も加速性能も落ちてくるのはなぜ?
・エンジンノイズ(異音)が気になる。
・なにか物足りない、しっくりこない。
・粘度は同じなのに、どうしてフィーリングやオイル性能が違うの?

そう感じてませんか?
その場合、正しい粘度を選べていない可能性があります。
インターネット上や雑誌などに氾濫しているエンジンオイルの情報を、
誤認している場合が大変多く、「整備士が言っているから間違いない」と
思われている方も少なくありません。
「このオイルを入れると車が壊れる」と故障の原因をオイルの責任にし、
原因究明をしない整備士の方も中にはいらっしゃいます。
弊社はエンジンオイルのメーカーであり、
販売する製品に関しては多くの実施試験を行っております。
また、代表の下地直樹は元メカニックでエンジンオイルのプロです。
このページでは、あなたの常識を覆し、
愛車をガラリと生まれ変わらせる、
正しい「粘度の選び方、オイル交換サイクル」をお伝えします。
エンジンオイル粘度の見方
粘度表示には、シングルグレードとマルチグレードがあります。
エンジンオイルの粘度は、低粘度20から高粘度50まで4段階あり、数字が大きいほど粘度が高く(粘りが強く)なり気密性が高くなります。

シングルグレードの見方がベース
粘度表示の見方は3種類。SAE 30・SAE40・SAE50のSAEはアメリカの規格です。
「API」粘度表示といわれるものを基準として考えていくことにします。
表示はSAE(シー)表示といわれるものです。
一般的に「シングルグレード(モノグレード)」とも呼ばれています。

数字は粘り具合を(粘度)を示しており、数字が大きくなるほど粘度が高くなります。
シングルグレード(モノグレード)は低い気温に対応していないため、冬の始動性が悪いのが特徴です。
※SAEとは、米国自動車協会が制定した粘度表示規格
一般的に、マルチグレード表示のものが大多数
SAE0W-20・SAE5W-30・SAE10W-40・SAE20W-50などの表記はマルチグレード表示と言います。
一般的にはマルチグレード表示のものが大多数を占めています。
マルチグレードはSAEが省略されることがありますが、SAEがなくても同じ意味です。
15W-50を15Wは低温側、50を高温側と勘違いされているかたがいらっしゃいますが、決して高温側ではありませんのでご注意ください。
冬の外気温に対応するための記号です。
0W=-35℃
5W=-30℃
10W=-25℃
15W=-20℃
20W=-15℃
まで対応すると言う意味です。
5W-30は-30℃まで対応するSAE30と言う意味になり
10W-30は-25℃まで対応するSAE30と言う意味になります。
日本国内にいる限り、-15℃になる地域はとても少ないですよね。

外気温を示す記号(数字)、Winter(冬)を意味するW、そのあとに、粘度を示す「SAE 30」「SAE 40」「SAE 50」などの「SAE」を省いた数字が記載されています。
15W-50を15Wは低温側、50を高温側と勘違いされているかたがいらっしゃいますが、決して高温側ではありませんのでご注意ください。
粘度選びのポイント
エンジンオイル屋では、あなたのコンセプトにあったエンジンオイルを選ぶことが一番だと考えています。
愛車にあった「コンセプト」ではなく、あなたにあった「コンセプト」です。
「なにか違う」と感じたなら、愛車にあっていないのではなく、それはあなたの「感性」にあっていないのです。
もしかすると「添加剤」を使ってみようと考えたり、使ったりしていませんか?あなたの感性にピッタリとあうエンジンオイルなら「添加剤」を使う必要も無くなります。

エンジンの状態(走行距離、新車、旧車)で選ぶ
エンジンの状態から粘度を選ぶとまず間違いは無いと思います。
エンジンの状態から選ぶ理由は、エンジンの摩耗にあります。もし走行10万㎞の中古車を購入した場合、これまでのエンジンのオイル管理がどうなっているかわらないため、エンジンの状態を確認することがエンジンオイルを選ぶ上で大切です。
エンジンの状態の中で最もわかりやすいのが「走行距離」から選ぶ方法です。
走行距離で選ぶ粘度の目安
走行距離
0~5万㎞
指定粘度 or 1つ高い粘度
【粘度の例】
・0W-20指定エンジンは10W-30が適合
・5W-30指定エンジンは10W-30が適合
走行距離
5万km~10万km
指定粘度 or 1つ高い粘度
【粘度の例】
・0W-20指定エンジンは10W-30が適合
・5W-30指定エンジンは10W-30・10W-40が適合
・5W-40指定エンジンは10W-40・20W-50が適合
走行距離
10万km~
粘度が高いほどエンジンに優しいのでオススメ
【粘度の例】
・0W-20指定エンジンは10W-30・10W-40・20W-50が適合
・5W-30指定エンジンは10W-30・10W-40・20W-50が適合
・5W-40指定エンジンは10W-40・20W-50が適合

0W/5WなどのWが付くものは無視で構いません。
大事なのは赤で囲った後ろ側の番号。
指定粘度が5W-40だから10W-40が使えないという訳ではありません。
誤解の無いようお願いいたします。
新車と旧車で選ぶ
新車にオススメの粘度は「10W-30」です。
旧車にオススメの粘度は「20W-50」です。
エンジントラブルには20W-50の一択

エンジンから白煙が出る、オイル消費があるなど、エンジンの調子が悪い場合は、迷わず指定粘度ではなく、「20W-50」のエンジンオイルを使いましょう。
粘度が気密性(圧縮保持)をカバーすることで、トルク(エンジンが回転する力)が大きくなり、アクセルをあまり踏まなくても坂道をグイグイ登るほどエンジンパワーの回復につながる場合があります。
※20W-50などの高粘度を使うと「エンジンが壊れる」という整備士の方がいらっしゃいますが、どのメーカーも壊れないことを検証し製造販売を行っております。モータースポーツなどでは高粘度(20W-50)を使うのは当たり前に行っていることです。壊れることはございませんのでご安心ください。
★ご注意ください
・指定粘度が0W-20だからとエンジンの状態を考慮せず使用した場合、摩耗が進んでいるエンジンであればオイル消費が起きてしまう事があります。
これを防ぐ為には0W-20から10W-30や10W-40に変更すると、オイル消費が収まっていきます。それでも収まらない場合はさらに20W-50などの粘度にします。
エンジンの摩耗(クリアランス)が大きくなればなるほど、指定粘度では隙間を埋めることが出来ずパワーダウン、オイル消費、白煙の原因となります。
※20W-50を使ってもまったく改善しない時は摩耗の限界を超えたエンジンです。オーバーホールorエンジン積み替えが必要な場合がございます。
使い方(高速多用、モータスポーツ、街乗りなど)で選ぶ
愛車の乗り方や使い方で粘度を選ぶ場合は、こちらを参考にしてください。
摩耗・摩擦を低減させるMetal Shieldを配合することで高いエンジンレスポンスを実現しています。
高速多用&モータースポーツ
20W-50がオススメ
高回転により上昇した油温を素早く下げ、エンジンを強力に冷却します。
・ノンターボ対応
・ターボ対応
・ハイパワーエンジン対応
・空冷エンジン対応
街乗りからスポーツ走行までカバー
10W-40がオススメ
ゴー&ストップの多い街乗りはエンジンに負担がかかるもの。
エンジンの負担を軽減し、上昇した油温を素早く下げ、エンジンを強力に冷却します。
・ノンターボ対応
・ターボ対応
過走行車
10W-30がオススメ
鉱物オイルでありながら、化学合成オイルのエコの性能を持ち合わせます。
0W-20指定エンジンに最適な設計です。
・ノンターボ対応
・ターボ対応
規格で選ぶ
ディーゼルエンジン規格
RIZOIL GT-RSシリーズはDH-2相当です。DL-1・DH-2規格は車の触媒(DPF)を詰まらせないようにする為のものです。オイルが燃焼して出る硫酸灰分はDL-1・DH-2比較しても差は極微小です。DL-1規格指定でも安心してご使用いただけます。
ACEA規格
RIZOILは「ACEA規格」でも使用可能です。
外国車など粘度表示が無い場合は「代替製品」の案内が「取扱い説明書」に記載されていますので参照ください。
※特にヨーロッパ車などは「ACEA規格」です。
API規格
RIZOILGT-RSシリーズはSN/CF API規格を使用しています。
RIZOIL Classic MOTOシリーズ(バイク)はAPI規格を使用しています。
JASO規格
RIZOIL Classic MOTOシリーズ(バイク)はJASO規格MAです。
ポリマー製法とノンポリマー製法
エンジンの熱が加わる事で、ドロドロとしたオイルはサラサラに変化していきます。
この変化は、SAE粘度や数値には表せません。(油温が100℃以下の時の温度は数値には出ないため)
このSAE粘度や数値に表せないものがフィーリング(使用感)に現れてきます。
つまり、重いと思っていた20W-50が、使ってみると意外に軽くエンジンのレスポンスが良いと感じられたり、予想以上に重たく感じる場合もあります。これが粘度のフィーリングの違いです。
もちろん配合される添加剤の量や質によって、粘度は変わってきます。
粘度を作り上げる製法には、ポリマー製法とノンポリマー製法の2つがあります。
ポリマー製法
粘度をもたらすものは基本ベースオイルですが、ポリマー(粘度向上剤)を添加して粘度を向上させる製法です。添加するポリマーの量や質によって粘度(ドロドロ加減)が変わります。多くのメーカーが採用している製法です。
この「ポリマー」はとても便利で、オイル漏れなどを起こした場合、「ポリマー」を入れる事でドロドロにしオイル漏れを止める「オイル漏れ防止剤」として使われたりします。
白煙、オイル消費などの改善をするために、「ポリマー」を使い、ドロドロにしています。つまり、原理は10W-30を10W-40にするのと同じです。
ポリマー製法の
メリット
・燃費の向上
・レースなどでのエンジンレスポンス(反応)の向上
・近代の自動車・バイク向け
ポリマー製法の
デメリット
・オイルの劣化が早い
・粘度が熱により変化しやすい
・せん断に弱く耐久性が無い
ノンポリマー製法【推奨】
ベースオイルが本来持っている性能を引き出す製法です。
そもそも劣化しやすいポリマー(粘度向上剤)は不使用なので、粘度変化に強くポリマー製法の2倍〜4倍安定しています。
ノンポリマー製法の
メリット
・黒くなりにくく、エンジン保護性能も長持ちする
・長持ちするため、経済的
・走行距離を重ねた自動車・バイク向け
ノンポリマー製法の
デメリット
・汚れにくいため、劣化が分かりにくい
・製法のエンジンオイルに比べ高価
ポリマー製法とノンポリマー製法どっちがいいの?
エンジンオイル屋では、粘度が常に安定する
ノンポリマー製法のエンジンオイルを推奨しています。

なぜなら、ノンポリマーはエンジンの温度が変わっても粘度変化が起きず、常に同じ粘度の状態を保ちます。そのため、ベースオイルが本来持っている性能を引き出し安定するため、安心して使用できます。
一方、ポリマーは熱が加わると粘度が不安定になり、→せん断(鎖状につながっているものが途中で切れたりすること)が起きると、スプリングの役目をしなくなり、その結果、エンジンが冷えている時は静かだけど温まるとうるさくなるといった現象が起こります。
走行距離が増えるとエンジンがうるさくなるのはこの為です。
製法の違いにより、オイルの耐久性、油温、静粛性などの性能、加速性能や乗り心地(フィーリング)まで変わってきます。


オイル交換サイクルについて
オイル交換サイクルは、3,000㎞や5,000㎞とか、今のエンジンオイルは10,000㎞で大丈夫などの議論がありますが、結論からいうと、どれも間違いではなく正解はありません。なぜなら、同じ条件、同じオイルでの比較では無いからです。
一概には言えませんが、ポリマー製法(粘度向上剤)のエンジンオイルは劣化が早いので、交換サイクルが短くなる傾向があります。ノンポリマー製法のエンジンオイルは、耐久性がありますので比較的交換サイクルが長くなります。
ノンポリマー製法

今お使いのエンジンオイルとオイルの汚れ方を比較していかがでしょうか?
さらにエンジンに不調をかかえている場合は、エンジンオイルはすぐに黒くなっていきます。
これはエンジンの不完全燃焼ガスなどが、エンジンオイルに混ざるためです。
この場合は、ノンポリマー製法であってもすぐに真っ黒になる場合があります。
