
- エンジンオイルは、車の心臓=エンジンを守る“血液”のようなもの。
- ドーナツマークの『常識』を疑え!~全ての誤解はここから始まる?~
- ドーナツマークの“限界”を知る
- ZDDP制限=環境との共存を優先した「家庭向けレシピ」
- API規格の本音とは?
- ドーナツマークは“売るための仕組み”の一面も?
- ドーナツマークの“呪縛”を解く!~非認証オイルは本当に『怪しい』のか?~
- API認証よりも大切なこと
- 私たちが目指すのは、「自由なレシピで、最高の一皿」
- APIマークがなくても、見てほしいのは「設計思想と実証データ」
- もう迷わない!エンジンオイル選び“3つの鉄則”
- API認証マークに惑わされない
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突然ですが、あなたの愛車のエンジンオイル… まさか「ドーナツマーク」だけで、安心して選んでいませんか?
もしそうなら、ちょっと待ってください!
その選び方、もしかしたら愛車のポテンシャルを眠らせたままか、 知らず知らずのうちに、負担をかけているかもしれません。
今回は、そのドーナツマーク、つまりAPI認証マークの知られざる裏側と、 本当にエンジンが喜ぶオイル選びの秘訣を、 包み隠さず、お話しします!
エンジンオイルは、車の心臓=エンジンを守る“血液”のようなもの。

『ドーナツマークの裏側と、本当にエンジンが喜ぶオイル選びの秘訣をお話しします』と宣言させていただきましたが、 まさに今日のテーマの中心が、この**『ドーナツマーク』**です。
皆さんもエンジンオイルを選ぶ際、このマークを目印にされていることが多いのではないでしょうか? でも、本当にこのマークだけで、全てを判断してしまって良いのでしょうか。
一緒に、その実態に迫っていきましょう。
ドーナツマークの『常識』を疑え!
~全ての誤解はここから始まる?~

エンジンオイルの缶にプリントされた、あの丸いマーク。
愛車のエンジンオイルを選ぶとき、あなたは何を信じますか? 多くの方が、缶に誇らしげに輝くあのドーナツマークに、 無意識のうちに、安心感を覚えるのではないでしょうか。
『APIサービスマーク』というその正式名称や、 アメリカ石油協会が定める品質規格、つまり**添加剤性能の“最低基準”**を満たしたオイル処方にのみ与えられるという事実は、 確かに、頼もしく聞こえます。
『これがあれば大丈夫!』…そう信じたい気持ち、よくわかります。
(少しトーンを落として、疑問を投げかけるように) でも、もし、その素直な信頼感が、 実は思わぬ“誤解”への落とし穴だとしたら…?
例えば、エンジン保護、酸化安定性、スラッジ発生抑制など、 数十項目に及ぶ試験があり、これをクリアしたものだけがこのマークを表示できます。
✅ 確かに、一定の品質を示す“信号”ではあります。
✅ そして、自動車メーカーが保証条件に含めることもあります。
…ですが、ここが落とし穴なんです。 APIマークは“最低基準に合格したこと”を示しているだけであり、
✔ どこまで高性能か?
✔ どのような思想で設計されたか?
✔ 誰がどんな目的で作ったか? といった**“オイルの本質”**までを示すものではないのです。
私たちが『常識』だと思っているその安心の根拠、 本当に確かなものなのでしょうか。そのマークは、オイルの“中身”まで、保証してくれているのでしょうか?
ドーナツマークの“限界”を知る
ドーナツマークの“信頼感”は、ある意味で正当です。 確かにAPI認証を通過しているということは、いくつもの性能試験をクリアしているということです。
しかしその一方で、「API SP」などの最新規格には、 **環境対応と、ある意味での大量生産の合理性を優先した結果としての“制約”**が、 数多く含まれていることも知っておく必要があります。
💥なぜAPIは“制限”をかけるのか?

ZDDPはたしかにエンジンを守る力が強い成分です。
でも、「多ければ多いほど良い」というわけではありません。
入れすぎると、次のような問題が起こることがあります:
- 分解された成分がオイルの中に“ヘドロのような汚れ”として溜まりやすくなる
- 他の大事な添加剤(たとえば燃費をよくする成分や洗浄成分)の働きを邪魔してしまう
- 少しずつ、排ガスをきれいにする装置(触媒)に悪影響を与えてしまう可能性がある
つまり、ZDDPは「エンジンのタイプ」や「走り方」、そして**“一緒に入れる他の成分とのバランス”**がとても大事なんです。
その答えは、いくつかの大きな目的のためです。
- 環境保護、つまり排ガス規制への対応。
- 燃費基準、例えばCAFE規制などへの適合。
- 触媒装置、TWCやDPFといった排ガス浄化装置の保護。
- そして、世界中の自動車メーカーとの整合性を図ること。
API規格は、全世界の自動車メーカーと石油業界が、 いわば“歩調を合わせて共通の基準を作る”ことを目指しています。 しかし、その結果として、 すべての車種、すべての使われ方にとって、 必ずしも理想的な処方を許容する規格とは言えなくなっているのです。
API SP規格での代表的な制限について、もう少し詳しく見てみましょう。
エンジンオイルに含まれるZDDP、これはリン酸亜鉛系の添加剤ですが、 いわば**「ニンニク」**みたいな存在だと考えてみてください。
料理にほんの少し入れるだけで、 ・パンチのある味になる、つまりエンジンの摩耗をしっかり防げる。 ・コクが深まる、つまり極圧下でも金属同士の擦れを抑えられる。 そう、本格的な料理、つまり高負荷に耐えるエンジンオイルには欠かせない名脇役です。
でも――この「ニンニク」、 体質が弱い子ども、ここでは排ガス浄化装置に例えましょうか、 その排ガス浄化装置には、ちょっと刺激が強すぎることがあるんです。 特に、触媒と呼ばれる部分に影響を与えてしまうんですね。
(家庭のシーンをイメージして) 例えば、家庭で「今日はニンニクたっぷりのスタミナ料理だ!」と作っても、 小さなお子さんが「うぇ~ん、匂いがきついよー!食べたくない!」と 反応してしまうようなイメージです。
だから、家庭の事情、つまりAPI規格ではこうなります。 👉「うちは子ども(排ガス装置)がいるから、ニンニク(ZDDP)は控えめにしてね」と。 これが、API規格でZDDPが制限されてきた大きな理由の一つです。
🍽️ 結果:万人受けの“薄味”に
当然ながら、ニンニクを減らせば…
✔ 匂いは抑えられます。つまり排ガス装置には優しくなります。
✔ でも、スタミナ感や深み、つまりエンジンの摩耗防止性能は、 どうしても物足りなく感じられることがあるのです。
つまり、“誰でも食べられるあっさり味”になる反面、 “本格派のパンチ”が失われてしまう、というわけです。
ZDDP制限=環境との共存を優先した「家庭向けレシピ」
API規格のSPなどは、 「誰にでもやさしい」「大多数にとって不都合が起きにくい」設計を重視しています。
ですが、例えば… 旧車や、チューニングされたスポーツエンジン。 高回転を多用するような、スポーティーな乗り方。 あるいは、重い荷物を積んで、高温・高荷重で長く走るような場面。
こうした環境では、「ちょっと刺激が強くてもいいから、ニンニク増しで頼む!」 という声も、当然あるはずですよね。
しかし、API規格は環境への配慮を優先し、ある意味でそうした声に応えきれない側面があります。 規格を守ればドーナツマークのお墨付きがもらえ、消費者の信頼を得やすくなる。 これは、製品を広く販売する上では有効な戦略と言えるかもしれません。
(疑問を投げかけるように) 🧠 API規格が目指す“平均点の世界”
API規格は、多くの人にとって“そこそこ安全”で“そこそこ環境に優しい”ことを目指した、 いわば平均値的な設計と言えるでしょう。 しかし、その結果として、
- 特定の使われ方、例えば過酷な条件や長時間運転、旧車などには、 保護性能が不十分な場合もある。
- 本当に高性能なオイルを目指そうとすると、 “規格に収まらない”という矛盾が生まれてしまう。
この点を理解していないと、 「APIマークがない=低品質だ」とか、 「API認証を通していないオイルは怪しい」といった、 誤解につながってしまうのです。
API規格の本音とは?
API SPなどの最新規格は、 「排ガス装置に優しい」「誰でも安心して使える」ことを優先した、 いわば**“家庭向けレシピ”**です。 これは決して悪いことではありません。
でも…その影で見落とされがちな現実もあります。 例えば、先ほども触れた、旧車や、高回転・高負荷な走行。 あるいは、真夏のアイドリング、渋滞、そしてサーキット走行のような、 “タフな現場”。
こうした場面では、 「少しくらいニンニクが強くてもいいから、ちゃんとエンジンを守ってくれ!」 という切実な声があるのも、また事実なんです。
ドーナツマークは“売るための仕組み”の一面も?
ここで、ちょっと考えてみてください。 APIの規格を守れば、「ドーナツマーク」を付けることができます。 これがあると、消費者の信頼を得やすい。 実際、ラベルにこのマークがあるだけで「安心感」が出ますよね。
でもその裏で、ZDDPや他の重要な成分が制限され、 本当に守りたいものが、十分に守れなくなる可能性もある。
つまりこれは、ある意味、 **“多くの人に受け入れられやすく、売りやすくするための都合”**によって、 制限が加えられたレシピ、とも言えるのではないでしょうか。
ドーナツマークの“呪縛”を解く!~非認証オイルは本当に『怪しい』のか?~
エンジンオイルを選ぶとき、こんな風に思っていませんか?
「ドーナツマークがついていないオイルって、なんか怪しい…」 「API認証がないってことは、性能が保証されてないんじゃ?」 「“相当品”って、“本物じゃないニセモノ”って意味じゃないの?」
でも、それ――大きな誤解なんです。
『ドーナツマークは“通知表”のようなもの』
ドーナツマーク、正式には「APIサービスマーク」と言います。 これはアメリカ石油協会、APIが定めた試験に合格した製品だけに付けられる “認証ラベル”です。
分かりやすく言うと、これは学校の通知表のようなもの。 「決められた項目については、ちゃんと合格してますよ」という証です。
でも、通知表がないからといって、 「この子は能力がない」と決めつけるのは、おかしいですよね?
それと同じで、ドーナツマークがないからといって、 性能が劣っている、とは限らないのです。
API認証よりも大切なこと
「えっ、じゃあライズオイルはAPI認証を取ってないの?」 そんな声が聞こえてきそうです。
(きっぱりと) はい、私たちは、あえて取得していません。 とはいえ、もちろん、基本的な性能はSP規格やCF規格に相当するレベルを確保しています。
なぜAPI認証を取らないのか?
API認証は、先ほども触れたように、 「同じルールで競う料理コンテスト」のようなものです。 使える食材、つまり添加剤の種類や量、あるいはオイルの粘度などに制限が多く、 本当はもっと良い材料や、もっと効果的な配合があっても、 ルール上、使えないことがあるんです。
その結果、
✔ 燃費重視のオイルや、
✔ 環境対応を謳ったオイルは作りやすい。
でも、高温・高荷重のような過酷な条件に本当に強い、 “特化型の設計”は、非常にやりにくくなってしまうのです。
私たちが目指すのは、「自由なレシピで、最高の一皿」
ライズオイルは、APIの枠に縛られることなく、 エンジンを本気で守るための処方を、ゼロから独自に設計しています。
例えば…
- 粘度が落ちにくい、“素の体力”の高いベースオイルを厳選し、
- 極圧性能や酸化安定性などを、私たちの基準で徹底的に強化し、
- そして何より、実際に様々な走行条件で使われたオイルを分析し、 そこから得られたデータに基づいて、絶えず改善を重ねています。
つまり、**“ラベルのマークではなく、中身の性能で勝負する”**のが、 私たちのやり方なんです。
APIマークがなくても、見てほしいのは「設計思想と実証データ」
派手なマークや認証よりも、 「本当にエンジンを壊さないか」「ずっと安心して使えるか」ということこそが、 何よりも大事だと、私たちは考えています。
だから私たちは、 ✔ ASTM D6278、これはオイルのせん断安定性、つまり粘り強さを測る国際的な試験ですが、 こうした客観的な試験データや、 ✔ 実際の走行データの詳細な分析、 これらを幾重にも重ねて、**“現場で本当に信頼される設計”**を追求しているのです。
もう迷わない!エンジンオイル選び“3つの鉄則”
✅ 鉄則①:「ドーナツマークがない=ダメなオイル」という考えは、間違いです。 ドーナツマーク、つまりAPI認証は、 あくまで最低限の基準を満たしていることの証に過ぎません。 でも、それだけでは、本当に優れた性能かどうかまでは分からないのです。
✅ 鉄則②:マークに合わせるのではなく、“あなたのクルマの使い方”に合わせましょう。 エンジンオイルは、「自分のクルマの使い方」に合っているかどうかが、一番大事です。 例えば、古いクルマにお乗りの方、スポーツ走行を楽しまれる方、 あるいは重たい荷物を積んで長距離を走るなど、過酷な使い方をする場合には、 API認証の“枠”だけでは、対応しきれないこともあるのです。
✅ 鉄則③:見た目や宣伝文句ではなく、“中身の本当の性能”を見ましょう。 キャッチコピーやパッケージのデザインだけでは、本当の性能は分かりません。 大切なのは、実際にどれだけエンジンを守ってくれるか。 「現場で本当に使えるかどうか」こそが、オイルの価値を決めるのです。
API認証マークに惑わされない
「どんなマークがついているか」ということよりも、 あなたの愛車が、どんな道を走り、どんな使われ方をしているのか。 そのエンジンの声に耳を傾け、本当に合ったオイルを選んであげること。
それが、あなたの愛車と、より長く、より深く付き合っていくための、 大切な第一歩だと、私たちは考えています。 そして、そんな想いを込めて、私たちライズオイルは製品を設計しています。
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